2018年05月06日

音楽の幸福、悲しみは1人の方が強く感じやすい

音楽の幸福、悲しみは1人の方が強く感じやすい、という研究があります。

Zhang, J., Yang, T., Bao, Y., Li, H., Pöppel, E., & Silveira, S. (2018). Sadness and happiness are amplified in solitary listening to music. Cognitive Processing, 19(1), 133-139. doi:10.1007/s10339-017-0832-7.

中華人民共和国の北京大学心理学認知科学部北京行動精神衛生重点実験室、ドイツのルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン医療心理学研究所人文科学センターの研究者による論文です。

先行研究によれば、音楽は感情状態を伝える有力な方法です。しかし、音楽で伝わる情動の強さや質が社会的文脈の影響を受けるかどうかやその様態については未解明な点があります。そこで本研究では被験者内実験計画を用いて、この問題を調べました。続きを読む

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2018年03月26日

怒りは反すうを弱める

情動制御には認知的制御が必要な方法があります。しかし、認知的制御は前頭前野からのトップダウン制御が必要で、ストレス状況では困難になるとされます。つまり、情動制御が必要なストレス状況でこそ、認知的制御が難しくなるというパラドックスがあるのです。この限界を克服する方法として、「情動による情動制御」が提案されています。

情動による情動制御方略は中国哲学(中哲)や中国医学(東洋医学・中国伝統医学)に基づくもので、私の別のブログ『緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー』では「恐怖は怒り感情の低下を抑えるが、攻撃行動には影響しない」、本ブログでも「悲しみでストレス下でも攻撃行動の抑制ができるようになる」という記事で取り上げました。今回の論文はその続編で、怒りは、反すう関連情動や特性反すうを低下させるというのが趣旨です。

Zhan, J., Tang, F., He, M., Fan, J., Xiao, J., Liu, C., & Luo, J. (2017). Regulating rumination by anger: Evidence for the mutual promotion and counteraction (MPMC) theory of emotionality. Frontiers in Psychology: Emotion Science, 8:1871. doi: 10.3389/fpsyg.2017.01871.

中国の首都師範大学心理学部、福建農林大学マルクス主義学部、中国人民大学労働人的資源学部、南京師範大学心理学部、アメリカのニューヨーク市立大学心理学研究室の研究者による論文です。

〇研究1続きを読む

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2018年03月18日

たとえ不快な情動でもそれを感じたいのならハッピー


伝統的な主観的ウェルビーイング研究によれば、経験する情動が快なほど幸せだとされます。一方、アリストテレスによると、経験したい情動が強いほど幸せだとされます。いったいどっちが正しいのでしょうか?それとも(文脈によっては)両方とも正しいといえるのでしょうか?今回はこの問題に取り組んだ研究をご紹介します。

Tamir, M., Schwartz, S. H., Oishi, S., & Kim, M. Y. (2017). The secret to happiness: Feeling good or feeling right?. Journal of Experimental Psychology: General, 146(10), 1448-1459. doi:10.1037/xge0000303.

イスラエルのヘブライ大学心理学研究室、アメリカのバージニア大学心理学研究室、韓国の啓明大学校心理学研究室の研究者による論文です。

世界8か国2,324人が参加。彼らが評定したのは、経験情動、希求情動、ウェルビーイング指標、抑うつ症状。

その結果、8か国を通して共通だったのは、自分が経験したい情動を経験することが多い人が幸せだったということでした。つまり、愛などの快情動でも憎悪などの不快情動でも、自分が経験したい情動を経験していた方が幸福感が高かったというわけです。続きを読む

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