2016年10月30日

精神障害者かどうかは顔を見れば分かる

精神障害者かどうかは顔を見れば分かる、という研究があります。なお、ここでいう精神障害とは、境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)と大うつ病性障害のことです。

Daros, A. R., Ruocco, A. C., & Rule, N. O. (2016). Identifying mental disorder from the faces of women with borderline personality disorder. Journal of Nonverbal Behavior, 40(4), 255-281. doi:10.1007/s10919-016-0237-9.

カナダのトロント大学心理学研究科の研究者3名による論文です。

研究参加者は、境界性人格障害のある女性の写真と、彼女らと人口統計学的特徴やIQがマッチした精神障害がない人の写真を見ました。その結果、参加者は、境界性人格障害の女性に精神障害があるかどうか写真を見ただけで偶然よりも高い確率で判断できました。この結果は、写真を見ただけで精神障害の有無を判断できないという信念があるにも関わらず得られました。続きを読む

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2016年10月02日

精神科医の表情認知力に関する調査

精神科医の表情認知能力を調べた研究があります。精神科医が心理療法志向なのか精神薬理学志向なのか、成人精神科医なのか児童青年精神科医なのかといった違いの影響も調べています。

Dalkıran, M., Gultekin, G., Yuksek, E., Varsak, N., Gul, H., Kıncır, Z., Tasdemir, A., & Emul, M. (2016). Facial emotion recognition in psychiatrists and influences of their therapeutic identification on that ability. Comprehensive Psychiatry, 69, 30-35. doi:10.1016/j.comppsych.2016.04.008.

トルコ(イスタンブル)のシシリ・エトファル教育研究病院(Sisli Etfal Education and Research Hospital)精神医学研究科、イスタンブル大学ジェラパシャ医科大学精神医学研究科、ヴィランシェヒル郡立病院精神医学クリニック、コンヤ(コニヤ)教育研究病院精神医学研究科、カフラマンマラシュ県立病院精神医学クリニック、Bakırköy精神衛生神経性疾患教育研究病院精神医学研究科の研究者による論文です。

実験参加者は130名の精神科医。表情認知テストには心理学者のポール・エクマンとウォレス・フリーセンの顔写真刺激を使用。表情の種類は幸せ、悲しみ、恐れ、怒り、驚き、嫌悪の基本6表情と中性(無表情)。

大人を相手にする成人精神科医では、精神薬理学志向の精神科医よりも心理療法志向の精神科医の方が悲しい表情の認知力が高くなりました。一方、児童青年精神科医では精神薬理学志向の人と心理療法志向の人で有意差が検出されませんでした。続きを読む

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2016年08月15日

姿勢を正すとポジティブ感情が高まり、疲労感が低下する

軽度抑うつ状態や中等度抑うつ状態の人達は姿勢が悪く、うなだれた姿勢をしている傾向にあります。しかし、背筋を伸ばして姿勢を正すと、ポジティブ感情が高まり、疲労感が低下、おしゃべりになるという研究があります。

Wilkes, C., Kydd, R., Sagar, M., & Broadbent, E. (2017). Upright posture improves affect and fatigue in people with depressive symptoms. Journal of Behavior Therapy & Experimental Psychiatry, 54, 143-149. doi:10.1016/j.jbtep.2016.07.015.

ニュージーランドのオークランド大学精神医療研究室&生体工学研究所の研究者による論文です。

軽度から中等度の抑うつ症状を示す人61名が研究に参加。彼らを普段通りの姿勢で座る群と背筋を伸ばして座る群とにランダムに割り当て。実験課題は試験官社会的ストレステスト(Trier Social Stress Test,TSST)。感情や疲労感の変化を評定。スピーチ中に喋った単語を分析。

*試験官社会的ストレステストとは、試験官の前でスピーチをした後に暗算をする社会的ストレス課題のことです。詳しくは私の別のブログ『緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー』の記事「ストレスで離人症・現実感喪失症になりやすい社会不安障害患者」や「TSSTで発話の機能性が高まり、ポーズ時間が長くなる」を参考にしてください。

実験の結果、軽度抑うつ状態・中等度抑うつ状態の人達は、ベースラインで標準化データよりもうなだれた姿勢(slumped posture)をしており、前かがみ状態でした。猫背のような感じですね。背筋を伸ばして(upright posture)座る群は普段通りの姿勢で座る群と比較して、姿勢が改善しただけでなく、高い覚醒水準のポジティブ感情が高まり、疲労感が低下しました。続きを読む

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