2017年06月19日

自傷の傷跡が持つ意味

自傷をしたことがある人は、その傷跡に深い意味づけを行っているという研究があります。

Stacy, S. E., Lear, M. K., & Pepper, C. M. (2017). The importance of origin: Differences in interpretation of self-inflicted versus environmentally-inflicted scars. Personality & Individual Differences, 116, 92-95. doi:10.1016/j.paid.2017.04.035.

アメリカのワイオミング大学心理学研究室の研究者3名による共著論文です。

非自殺自傷(nonsuicidal self-injury)という言葉があります。非自殺自傷とは、自殺意図のない自傷行為のことです。リストカットなどによる自傷は身体に傷跡を残し、自傷行為や情動的出来事を思い出させる手がかりとして機能すると考えられます。そこで本研究では、非自殺自傷による傷跡と他の傷跡とで傷跡関連の意味、行動に違いがあるかどうかを検証しました。

調査協力者は、非自殺自傷による傷跡がある人49名と、環境要因で傷跡ができた人54名。彼らの傷跡関連の解釈、行動、機能を比較しました。

その結果、環境的傷跡がある人達も非自殺自傷による傷跡がある人達も、多くの人が傷跡をアイデンティティーの一部として捉えていました。続きを読む

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2017年05月29日

オキシトシンで女性心理士からのアドバイスに従順になる


鼻腔内のオキシトシン投与で女性心理士からのアドバイスに従順になるという研究があります。

Luo, R., Xu, L., Zhao, W., Ma, X., Xu, X., Kou, J., Gao, Z., Becker, B., & Kendrick, K. M. (2017). Oxytocin facilitation of acceptance of social advice is dependent upon the perceived trustworthiness of individual advisors. Psychoneuroendocrinology, 83, 1–8. doi:10.1016/j.psyneuen.2017.05.020.

中国成都市の電子科技大学医学情報センター生命理工学院神経情報学重点実験室の研究者による論文です。

本研究は、オキシトシン鼻腔内投与が、日常生活で生じる社会的問題解決に関するアドバイスの受け入れに与える影響を調べることを目的としました。アドバイスをする側(アドバイザー)は専門家の心理士か非専門家とし、好感度や信頼性に与える影響も調べました。

参加者は160名の男女。二重盲検法の被験者間実験計画で、プラセボ対照試験デザインを用いました。続きを読む

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2016年10月30日

精神障害者かどうかは顔を見れば分かる

精神障害者かどうかは顔を見れば分かる、という研究があります。なお、ここでいう精神障害とは、境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)と大うつ病性障害のことです。

Daros, A. R., Ruocco, A. C., & Rule, N. O. (2016). Identifying mental disorder from the faces of women with borderline personality disorder. Journal of Nonverbal Behavior, 40(4), 255-281. doi:10.1007/s10919-016-0237-9.

カナダのトロント大学心理学研究科の研究者3名による論文です。

研究参加者は、境界性人格障害のある女性の写真と、彼女らと人口統計学的特徴やIQがマッチした精神障害がない人の写真を見ました。その結果、参加者は、境界性人格障害の女性に精神障害があるかどうか写真を見ただけで偶然よりも高い確率で判断できました。この結果は、写真を見ただけで精神障害の有無を判断できないという信念があるにも関わらず得られました。続きを読む

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