2017年07月01日

震災で向社会的な職業が人気になる

震災を経験した人には消防士や学校の先生、ソーシャルワーカーなど向社会性の高い職業への求職者や就業者が多いという研究があります。

Oishi, S., Yagi, A., Komiya, A., Kohlbacher, F., Kusumi, T., & Ishii, K. (2017). Does a Major Earthquake Change Job Preferences and Human Values?. European Journal of Personality, 31(3), 258–265. DOI: 10.1002/per.2102.

アメリカのバージニア大学心理学研究室の大石繁宏正教授、神戸大学大学院人文学研究科の八木彩乃氏、神戸大学大学院人文学研究科の石井敬子准教授、広島大学総合科学部・大学院総合科学研究科の小宮あすか准教授、ドイツ日本研究所専任研究員、経営・経済領域リーダーのフローリアン・コールバッハ氏、京都大学大学院教育学研究科教育科学専攻の楠見孝教授による論文です。

自然災害が人間の価値観や仕事の選好に与える影響を調べた研究です。

研究1では、時間横断的解析法を用いて、日本の都市9か所で12年間にわたる求職データを分析しました。その9か所とは、神戸市、西宮市、明石市、高槻市、京都市の関西圏5市と町田市、千葉市、川崎市、藤沢市の関東圏4市でした。その結果、1995年の阪神・淡路大震災の後に、向社会的な職業の人気が高まりました。特に震災被害に遭った都市で顕著でした。

なお、研究1での向社会的な職業とは、幼稚園の先生、ソーシャルワーカー、消防士のことでした。小学校の先生や看護師など、他にも向社会的な職種はありますが、それらは県や民間セクターレベルのことで、仕事に関するデータが公に公開されていませんでした。続きを読む

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2017年06月27日

自撮り棒を使った人は他者に社会的魅力が低いという印象を残す


自撮り棒を使って自撮りした人は、その光景を見た人に社会的魅力が低いという印象を残すという研究があります。

Bevan, J. L. (2017). Perceptions of Selfie Takers Versus Selfie Stick Users: Exploring Personality and Social Attraction Differences. Computers in Human Behavior, 75, 494–500. doi:10.1016/j.chb.2017.05.039.

アメリカ合衆国カリフォルニア州のチャップマン大学健康戦略的コミュニケーションM.S.プログラム所長&専任教員、コミュニケーション学部教授の方による単著論文です。

本研究は、人前で自撮りしている人が他者にどのように知覚されるかを調査したものです。腕を伸ばして自撮りする従来の方法で撮影した人と、自撮り棒を使って自撮りする方法で撮影した人の比較研究になります。

比較したのは、自撮りした人が他者からどれくらいナルシストで、思いやりがあり、社会的魅力が感じられるかというものでした。

これまで目撃した、腕を伸ばして自撮りしていた人、自撮り棒を使って自撮りしていた人を参加者にランダムに思い出してもらい、ナルシシズム、思いやり、社会的魅力を評価してもらいました。オンライン調査でした。続きを読む

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2017年06月11日

1人より2人で決めた方が衝動的にならない

1人で報酬を選択するより2人で合意を形成した上で報酬選択をした方が衝動性が低くなるという研究があります。また、1人より2人で合意選択をした方が有利な選択ができ、最終的に獲得する報酬金額が大きいという結果も得られました。さらに、最初に2人の間に意見の不一致がある場合でも、最終的には衝動的な選択をせず、獲得までに時間がかかる大報酬を待て、有利な選択が可能でした。

Schwenke, D., Dshemuchadse, M., Vesper, C., Bleichner, M. G., & Scherbaum, S. (2017). Let’s decide together: Differences between individual and joint delay discounting. PLoS ONE, 12(4): e0176003. doi:10.1371/journal.pone.0176003.

ドイツのドレスデン工科大学心理学研究室、ツィッタウ・ゲルリッツ大学社会科学研究科、オルデンブルク大学(カール・フォン・オシエツキー大学オルデンブルク)心理学研究室、ハンガリーの中央ヨーロッパ大学認知科学研究室の研究者らによる論文です。

実験参加者は60人(女性45人)。平均年齢は22.9歳(SD = 3.6)。彼らは2人1組に分けられました(女性ペアが18組,男性ペアが3組,男女混合ペアが9組)。14組は知人同士で、16組は初対面でした。

2人は背中合わせでコンピュータモニターの前に着席し、スクリーン画面に視線を維持し、言語的にも非言語的にもコミュニケーションをしないように実験者から教示されました。続きを読む

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