2017年03月25日

チョコを食べると笑顔の認知力が上がる

チョコを食べるとハッピーになるだけでなく、他者の笑顔の認知力も向上するという研究があります。また、魚醤油を飲むと、幸福感が低下、嫌悪感情が強まり、他者の嫌悪顔の認知が素早くなるという結果も得られました。つまり、何を食べる/飲むかで表情認知力は変わるというわけです。相手の表情(から伝わる情動)を理解しようと思ったら、当該情動を引き起こすような飲食物を摂取すれば、相手のことがよりよく理解できるかもしれません。

また、魚醤油を飲むと嫌悪顔の人に感じる親密感が高まり、笑顔の人への親密感が低下するという結果も得られました。

Pandolfi, E., Sacripante, R., & Cardini, F. (2016). Food-Induced Emotional Resonance Improves Emotion Recognition. PLoS ONE, 11(12): e0167462. doi:10.1371/journal.pone.0167462.

イギリスのアングリア・ラスキン大学心理学研究室の研究者3名による論文です。

研究参加者は50人(女性29人)。平均年齢27.02歳(SD = 8.23,範囲18〜53)。ただし、7人のデータはデータ記録時に技術的な問題が発生し、データ解析から除外。

食物はダークチョコレート〜5g、魚醤油〜5gを用いました。12人が協力した予備研究で、ダークチョコレートを食べるとハッピーになり、魚醤油を飲むと嫌悪が強まるという結果が得られました。なお、参加者はダークチョコレートか魚醤油のいずれか片方しか飲食しませんでした(被験者間実験計画)。チョコ群、魚醤油群の割り当てはランダムでした。続きを読む

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2016年04月24日

腐敗・汚職が蔓延している社会だと笑顔でも信頼されにくい

通常、笑顔の人の方がそうでない人よりも好印象を与えます。しかし、笑顔の方がおバカさんに見えるという文化もあり、その違いは不確実性回避と関係するという研究があります。そして、なによりも私が面白いと感じたのは、腐敗・汚職が蔓延している社会では笑顔の人に感じる信頼性が低いという結果です。

Krys, K., Vauclair, C. M., Capaldi, C. A., Lun, V. M. C., Bond, M. H., Domínguez-Espinosa, A., Torres, C., Lipp, O. V., L. Manickam, S. S., Xing, C., Antalíková, R., Pavlopoulos, V., Teyssier, J., Hur, T., Hansen, K., Szarota, P., Ahmed, R. A., Burtceva, E., Chkhaidze, A., Cenko, E., Denoux, P., Fülöp, M., Hassan, A., Igbokwe, D. O., Işık, İ., Javangwe, G., Malbran, M., Maricchiolo, F., Mikarsa, H., Miles, L. K., Nader, M., Park, J., Rizwan, M., Salem, R., Schwarz, B., Shah, I., Sun, C-R., Tilburg, W. v., Wagner, W., Wise, R., & Yu, A. A.(2016). Be Careful Where You Smile: Culture Shapes Judgments of Intelligence and Honesty of Smiling Individuals. Journal of Nonverbal Behavior, 40(2), 101-116. DOI: 10.1007/s10919-015-0226-4.

論文の共著者数がとんでもない量なので、わざわざ個別に研究機関の名前をあげることはしません。ただ、日本の大学でいうと名古屋商科大学のPark Joonha助教(経営学部)も共著者の1人であることを書き記しておきます。

44の文化で研究参加者の大学生(n =5,216)に笑顔の人と笑顔でない人の誠実性や知能を評価してもらった研究です。ただし、データ欠損のため、最終的に解析したのは4,519人のデータになりました。女性が56.5%、男性が43.5%。平均年齢は22.36歳(SD = 5.50)。解析サンプルが最小だったのがイランの42人、最大だったのがクウェートの298人。ちなみに日本は103人でした(ただし、南アフリカを白人と白人以外に区別すると、白人以外の方が41人と最小になりました)。

参加者には8つの人物顔の評価を知能と誠実性の観点からしてもらいました。笑顔が4つで、笑顔じゃない顔が4つでした。顔写真の性別は男女半々で、ヨーロッパ系アメリカ人が4人、アフリカ系アメリカ人が2人、インド人が2人でした。続きを読む

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posted by マーキュリー2世 at 22:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 笑顔、スマイル心理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月29日

笑顔の模倣は本物の笑顔と偽の笑顔の弁別を助ける

本物の笑顔を見ると生じる笑顔(模倣)が、本物の笑顔と偽の笑顔を区別するのを助けていると主張する論文が科学誌『プラスワン』に公開されました。

Rychlowska, M., Cañadas, E., Wood, A., Krumhuber, E. G., Fischer, A., Niedenthal, P. M. (2014). Blocking mimicry makes true and false smiles look the same. PLoS ONE, 9(3): e90876. doi:10.1371/journal.pone.0090876.

アメリカのウィスコンシン大学マディソン校心理学部、フランスのブレーズ・パスカル大学、スイスのヌーシャテル大学、イギリスのユニバーシティ・カレッジ・ロンドン心理学言語科学部門、オランダのアムステルダム大学心理学部の研究です。

被験者に本当の笑顔と偽物の笑顔のビデオを見せました。また、マウスガードを装着する条件と装着しない条件も設けました。

本当の笑顔は面白い刺激に対する反応で、ポジティブ感情を引き起こしたもの、偽の笑顔は演技でした。

EMG(筋電図)で左大頬骨筋(Zygomaticus major muscle)の活動を計測しました。大頬骨筋は笑顔になった時に活動する筋肉です。

その結果、偽の笑顔よりも本当の笑顔に大頬骨筋が反応することが分かりました(笑顔の模倣:mimicry)。しかし、マウスガードを装着していると有意差が消失しました。
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posted by マーキュリー2世 at 13:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 笑顔、スマイル心理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする