2018年06月11日

協力と認知は共進化可能

協力と認知は共進化できるという研究があります。つまり、協力と認知(機能)はともに高めあう関係になり得るのです。

dos Santos, M., & West, S. A. (2018). The coevolution of cooperation and cognition in humans. Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences, 285:20180723. DOI: 10.1098/rspb.2018.0723.

イギリスのオックスフォード大学動物学研究科の研究者2名による論文です。

古代の狩猟採集民族の協力行動は、親族で共有される協力で得られるものから成立していました。しかし、互いに血のつながりのない個体からなる大きな集団に移行した初期人類移行、協力がどのように保持されているのか不明です。

そこで、親族への利益から協力が進化した後に、認知が進化し、協力からのリターンが増えるとの仮説をたてました。認知発達の程度は、集団が大きくなり、血のつながりが低下している時に、自己への利益が協力を安定にさせるぐらいと仮定しました。

解析モデルとシミュレーションで、この仮説の理論的なもっともらしさを検証しました。

調査したのは、
1.認知が協力の利益を増加させる状況
2.認知が高まった協力者間で、認知が相乗的利益をもたらす状況
3.認知が知能の低い相手を搾取するのを可能とする状況
4.1.〜3.の組み合わせ

その結果、協力と認知は共進化できることが分かりました。つまり、最初に協力が進化して、それが認知が高い個体に有利で、それがまた協力性が高い個体に有利で、たとえ血のつながりが薄くなっても協力が安定的になりました。

今回はあくまで解析モデルとシミュレーションによる可能性の検証で、実際にそうなのかは別途検討する必要があります。しかし、心理学の実験に協力してくれる人は頭が良いのでしょうかね。本研究とは直接関係しませんが、協力といえば、「ラーメンの想起は実験協力意図を低下させる」という論文が思い出されます。

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posted by マーキュリー2世 at 04:35 | Comment(0) | 認知心理学、認知神経科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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