2017年06月03日

開放性が高い人は裸でダラダラ過ごすことが多い(自宅)


性格特性と日常生活の行動頻度との関係を調べた研究があります。その中で個人的に面白かったものをピックアップすると、表題の「開放性が高い人は裸でダラダラ過ごすことが多い(自宅)」以外に、調和性が高い人は車の中で歌ったり、シャワー中に歌うことが多い、勤勉性が高い人は鉛筆を口にくわえないことが多い、開放性が高い人は、食べ残しや庭の廃棄物を堆肥にすることが多い、といった関係がありました。

Chapman, B. P., & Goldberg, L. R. (2017). Act-frequency signatures of the Big Five. Personality & Individual Differences, 116, 201-205. doi:10.1016/j.paid.2017.04.049.

アメリカのロチェスター大学医科歯科学部とオレゴン研究所の研究者2名による共著論文です。

調査協力者は、米国オレゴン州のユージーン-スプリングフィールドコミュニティサンプル(Eugene-Springfield Community Sample,ESCS)。サンプル全員が住宅所有者。後述する質問紙2種類とも回答した人は765人。平均年齢 51.4歳(SD = 12.7)、女性58%、白人98%。

以下の質問紙を使用
・ビッグファイブ特性記述形容詞100項目(Big Five 100 Trait-Descriptive Adjectives,BF-TDA-100):5因子×20個の形容詞=100個の形容詞について、自分にどれぐらい当てはまるかを5件法リッカート尺度で回答。1993年の夏に回答。
・行動行為質問紙(Behavioral Acts Inventory,BAI):400種類の行動行為をする頻度を回答。回答は1.これまでしたことがない 2.昨年はしたことがない 3.昨年、1、2回したことがある 4.昨年3〜15回したことがある 5.昨年15回以上したことがあるの内から選択(15回が重複していますが、英語の通りに訳するとこうなってしまいます)。1997年秋に回答。

なぜ、ビッグファイブは性格質問紙ではなく、わざわざ特性記述形容詞100項目(TDA-100)で計測したかというと、性格質問紙の質問項目には具体的な行為に関する質問があり、それがもとで性格と行為の関係が過大推定されてしまう恐れがあったため。

以下は調査結果です。

偽発見率(False Discovery Rate,FDR)を5%にした場合に検出された性格と行動行為の関係(ps < 0.000147)
・外向性が高い人は、運動プログラムに参加し、ウイスキー・ウォッカ・ジン等の蒸留酒を飲み、ランニングやジョギングをし、電話で話しながら車を運転し、バーで酔っ払い、携帯電話で話をし、汚いジョークを言い、日焼けし、ゴルフをし、金儲けの方法について議論し、スポーツイベントで大きな声で歓声をあげ、部屋をデコレーションし、サウナや温水浴槽を使うことが多い。

・調和性が高い人は、車の中で歌う/シャワー中に歌うことが多く、泥酔することが少ない。

・勤勉性が高い人は、空想せず、周りの人に悪態をつかず、本を買わず、朝食にスパイシーな食物を食べず、締め切りギリギリまで仕事をためておかず、映画のレンタルや図書館の本で延滞料金を科されず、本を読まず、鉛筆を口にくわえないことが多い。

・情緒安定性が高い(神経症傾向が低い)人は、精神安定剤を飲まず、人をからかわないで、周りの人に悪態をつかず、睡眠薬を飲まず、気分を高めるためにアルコールや薬物を使用せず、うつ(病)で服薬しないで、悪夢を見ず、1日の内に3種類以上の薬を服用しないことが多い。

・開放性(知性)が高い人は、空想し、瞑想し、周りの人に悪態をつき、本を買い、裸でダラダラ自宅で過ごし、スポーツチームへの関心が薄く、詩を読み、これまでとは全く違ったことをしようとし、オーガニックフードを購入し、芸術作品を製作し、朝食にスパイシーな物を食べ、金儲けの方法について議論し、マリファナを吸い、美術展に出席し、オペラやオーケストラのコンサートに行き、自動車を自分で修理、メンテナンスし、食べ残しや庭の廃棄物を堆肥にすることが多い。

偽発見率(FDR)を制御しないもっと緩めの有意水準で検出された性格と行動行為の関係(ps < 0.001)
・外向性が高い人は、周りの人に悪態をつき、会議や講演/講義で質問をし、パーティーを計画し、時速75マイル以上で車を走らせ、準備しておいたトークや公の場でのリサイタルをし、クラブや団体に自分から参加し、女友達や男友達と性的な事柄を話し合い、物まねや人まねをし、カードやサイコロを使ったギャンブルをし、飛行機で飛ぶことが多い。

・調和性が高い人は、他者をからかわず、服にアイロンをかけ、子どもと遊び、皿洗いをすることが多い。

・勤勉性が高い人は、お昼過ぎに眠らない(お昼寝しない)ことが多い。

・情緒安定性が高い人は、1日に4杯以上ソフトドリンクを飲まず、空想せず、個人広告を読まず、キレないで、減量のためのダイエットをせず、怒りで通常より車の運転速度が速くならないことが多い。

・開放性が高い人は、銃を撃ち、ピアノ等の楽器を演奏し、日記や日誌をつけ、大きなプロジェクトを終え、英語以外の言語で話し、絵を描き、フルコースの料理を作り、本を読むことが多い。

外向性が平均値よりも1SD(標準偏差)低い人よりも、外向性が平均値よりも1SD高い人の方が1年で15回以上電話で話しながら車の運転をすることが2.4倍多くなりました。同様に、調和性が高い人より低い人の方が1年に15回以上泥酔することが2.1倍多くなりました。開放性が低い人よりも高い人の方が1年に15回以上自宅で裸のままダラダラ過ごすことが2倍多くなりました。

なお、勤勉性が平均値よりも1SD高い人でも1年に15回以上周りの人に悪態をついた人が25%いました。

性格と行動の間の相関係数のほとんどは0.2〜0.3の間でした。それぞれの性格と最も関連する行動トップ10に限ると、相関係数は0.3〜0.4になりました。性格の5因子すべてを合わせると、各々の行動の最大重相関係数は0.4ほどでした(重相関係数とは、実測値と回帰モデルによる予測値との間の相関係数のこと)。人口統計学的指標(年齢、性別、教育水準)によって性格特性と行動の関係性が異なるとは言えませんでした。

なお、社交不安(社会不安)が高い人も自宅で過ごすことが多いという研究(Chow et a., 2017)がありますが、ダラダラそれも裸でいるかどうかは分かりません。

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posted by マーキュリー2世 at 15:47 | Comment(2) | TrackBack(0) | 性格心理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Hulu でcriminal mindと云うドラマを観ていて、間欠性爆発性障害についてググってる内に、此方のページを見つけて、読み始めてました、すごく面白いですね。私は開放性が高いグループの事柄が何個か当てはまります。スポーツは、サッカーを職場の中で対抗戦でしている時もありましたが、テレビ観戦もしないし、プロ野球やバレーやサッカー等のチームが幾つあるかも興味が全く無いので友人はもとより、人に聞かれてもほぼ答えられないです。真夏の今は、裸で自宅でダラダラしてます。まぁ足の病気で歩行困難が原因ですが。自炊は、離婚してから始めましたが、失敗した時は、汲み取り式のトイレなので、其処へ入れて証拠隠滅です。カテゴリを上から順に読んで、このページでかなり笑いました。大学の就活時の最初にする性格テストを思い出しました。本は帰国子女として日本に帰国して母国語である日本語学習の為に、読書をしている内に、気づいたら本の虫ってあだ名が付いてました。重厚長大産業職人から介護職に転職してから、仕事の為に医学的なものを、沢山読むようになって、頭の切り替えで海外ドラマを観て、辞書を引く生活からネット検索するようになったら、読書量が激減です。今夜は、良いページを見つけて良かったです。
Posted by John.Doe at 2017年08月21日 22:47
ご訪問とコメント、ありがとうございます。

拙ブログが貴殿のお役に立てたのなら本望であります。
Posted by マーキュリー2世 at 2017年08月22日 04:14
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