2017年04月29日

心理学専攻生はダークトライアドが低い

心理学専攻生(心理学生)はダークトライアドが低いという研究があります。ダークトライアドとは、マキャベリズム、サイコパシー、ナルシシズムという3種類の性格特性のことです。

Vedel, A., & Thomsen, D. K.(2017). The Dark Triad across academic majors. Personality & Individual Differences, 116, 86–91. doi:10.1016/j.paid.2017.04.030.

デンマークのオーフス大学心理学行動科学研究室の研究者2名による共著論文です。

ダークトライアド特性が高い人は、職場での権力や地位、社会的支配性を渇望するとされます。これらの欲望が、ダークトライアド特性の高い人が権力等が手に入る職業へと向かう要因になると考えられます。とするならば、ダークトライアドは教育上の選択にも影響する可能性があります。そこで、本研究の目的は大学生の専攻分野によって、ダークトライアドが最初から違うかどうか調べることとしました。性格の5因子(ビッグファイブ)も調べましたが、これは先行研究で新入生の専攻分野ごとの性格特性の違いが見出されていたためです。

大学の新入生(N = 487)をサンプルとし、ビッグファイブの性格特性とダークトライアド特性の質問紙調査を実施しました。専攻分野は心理学、経済学/ビジネス系、法学、政治学とし、平均得点を比較しました。

その結果、専攻分野によるビッグファイブの性格特性の差は先行研究の結果が再現されました。専攻分野によるダークトライアド特性の違いも検出され、その効果量は中〜大でした。一番大きな差は経済学/ビジネス系専攻生と心理学専攻生の違いで、前者の方がダークトライアド得点が高く、後者の方がダークトライアド得点が低くなりました。

なお、アブストラクトしか読んでいないので、新入生が対象かどうか知りませんが、専攻分野ごとの性格の5因子の違いについては2016年に系統的レビュー論文が出版されています(Vedel, 2016)。合計サンプルサイズ13,389人の研究をまとめたVedel (2016)によると、専攻分野による違いが検出された性格特性が1つ以上あった論文は12本中11本でした。複数の研究で一貫して見出されたことは、以下の通りでした。なお、研究ごとの効果量の違いは小さかったとのことです。また、5因子のすべてで最も頻度が多かったのが中程度の効果量で、開放性に関しては効果量が大きくなることも多かったようです。

・神経症傾向が高い:芸術/人文科学、心理学専攻生
・開放性が高い:芸術/人文科学、心理学、政治学専攻生
・外向性が高い:経済学、法学、政治学、医学専攻生
・調和性が高い:医学、心理学、芸術/人文科学、(自然?)科学専攻生
・勤勉性が低い:芸術/人文科学専攻生

○引用文献
Vedel, A. (2016). Big Five personality group differences across academic majors: A systematic review. Personality & individual differences, 92, 1-10. doi:10.1016/j.paid.2015.12.011.

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posted by マーキュリー2世 at 15:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | ダークトライアド(Dark Triad) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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