2017年03月20日

生身の人間とのアイコンタクトで一人称代名詞の使用が増加する


生身の人間とのアイコンタクトで一人称代名詞の使用が増加し、相手がビデオ映像の場合には増加しないという研究があります。

Hietanen, J. O., & Hietanen, J. K.(2017).Genuine eye contact elicits self-referential processing. Consciousness & Cognition, 51, 100–115. doi:10.1016/j.concog.2017.01.019.

フィンランドのタンペレ大学社会科学/心理学部人間情報処理研究室の研究者2名による共著論文です。

本研究の目的は、アイコンタクトが自覚(self-awareness)に与える影響を潜在指標で調べることとしました。潜在指標として、文での一人称単数代名詞の使用を用いました。一人称単数代名詞とは「私」や「俺」等のことです。したがって、一人称単数代名詞の使用を見れば、自己参照処理、自覚関連処理を測ることができるというわけです。しかも、一人称単数代名詞は意識して用いるわけではないので、潜在指標となります。

研究参加者には顕在的自覚を測る質問紙にも回答してもらいました。

実験1は人物が写っているビデオクリップ刺激、実験2は生身の人間のライブ刺激を用いました。両方の実験で参加者を2群に分けました。一方はこちらを直視する人物を呈示するアイコンタクト群、もう一方は伏し目がちの人物を呈示する非アイコンタクト群でした。人物の呈示後に代名詞選択課題を実施しました。

実験の結果、アイコンタクト群は一人称代名詞の使用が多くなりました。ただし、生身の人物からアイコンタクトを受けた場合だけ一人称代名詞の使用が多くなり、ビデオに写っている直視の人物を見ただけでは一人称代名詞の使用が増加することはありませんでした。

なお、実験1でも実験2でも、自己報告の顕在的自覚は相手の視線が直視か下向きかの影響を受けませんでした。

これらの結果は、アイコンタクトが潜在的自己参照処理を促すのは生身の人間相手にライブ交流する場合の方が強く、相手が生身でない場合には潜在的自己参照処理が引き起こされないか、起こったとしても弱いことを示唆します。

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posted by マーキュリー2世 at 15:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 認知心理学、認知神経科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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