2016年12月24日

消去法は合理的思考を促進する

今回は、選択することで意思決定するよりも、他の選択肢を排除することで意思決定する「消去法」を用いる方が熟慮を促進するという研究です。論文著者は、直接選択する課題から消去法による選択をする課題に切り替えることで熟慮処理が促される現象を課題タイプ効果(task-type effect)と名付けています。

Sokolova, T., & Krishna, A. (2016). Take It or Leave It: How Choosing versus Rejecting Alternatives Affects Information Processing. Journal of Consumer Research, 43(4), 614-635. DOI: 10.1093/jcr/ucw049.

ミシガン大学アナーバー校ロス・ビジネススクール(Ross School of Business)の研究者2名による共著論文です。

研究1A(Study 1A)では「アジア病問題」を用い、課題を直接選択するタイプから、消去法による選択をするタイプに切り替えることで、フレーミング効果が生じにくくなる結果が得られました。同様の結果が、経済的意思決定を用いた研究1B(Study 1B)や実際の金銭額に影響する研究1C(Study 1C)で再現されました。

*アジア病問題とは、行動経済学者のダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーが考案した問題のことで、同じ内容でも表現の仕方によってヒトの判断や意思決定が変わる「フレーミング効果」の代表的な課題になります。本記事でアジア病問題について詳述するのは控えますが、有名な話なので、日本語でも検索してみれば、必ず情報が見つかります。

課題を消去法によるものへ変えると、研究2(Study 2)ではホテルのレビューにおいて考慮する事柄の質が改善し、研究3(Study 3)では携帯電話の契約プランでの意思決定がより合理的なものになりました。

また、消去法による選択課題は、認知的枯渇時の選択課題(Study 4)や直感による選択課題(Study 5)と似た意思決定過程を引き起こしました。したがって、消去法は頭を使う意思決定方法だと考えられました。

スポンサードリンク

posted by マーキュリー2世 at 23:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 認知心理学、認知神経科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック