2016年10月16日

狭い場所にいると自己制御が上手になり、食物の誘惑に勝てるようになる

狭い場所にいると、お菓子の誘惑に勝てるようになる、自己制御(自己調整)能力が向上するという研究があります。

Xu, A. J., & Albarracín, D.(2016). Constrained Physical Space Constrains Hedonism. Journal of the Association for Consumer Research, 1(4), 557-568. DOI: 10.1086/688222.

アメリカ合衆国のミネソタ大学カールソン経営大学院、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究者2名による共著論文です。

〇研究目的

空間の制約が高カロリー食などの堕落商品の快楽的消費行動、および自己制御一般に与える影響を調べることを研究の目的としました。

○実験方法

空間的制約の実験操作は、同じ部屋にいる人の人数(密度)を増減させたり、部屋の大きさが異なる空間での調査・実験で行いました。

○結果

大きな空間よりも小さな空間の方が堕落製品の衝動買いが低下し、高カロリー食(チョコレートボール)の消費量が減少し、Go/No-Go課題でfalse alarm率が減少しました。

*Go/No-Go課題とは反応抑制、運動衝動性の制御の試験で使われる検査のことです。Go試行で運動反応を求め、No-Go試行で運動反応を抑制することが要求されます。Go試行とNo-Go試行は異なる刺激で区別されるので、提示された刺激によって反応したり、反応を抑制したりを柔軟に変える必要があります。通常、No-Go刺激の提示頻度よりもGo刺激の方の提示頻度を多くするので、Go試行での反応が優位な反応となり、No-Go試行ではその優位な反応を抑制する必要があります。そして、Go/No-Go課題でのfalse alarmとは、No-Go試行でGo試行と同じ優位な反応をするエラーを意味します。つまり、本実験でfalse alarm率が減少したということは、反応抑制が向上したことを意味します。本実験ではこのことを「小さな空間にいると自己制御能力が高まる」と解釈しています。

また、国際統計や米国統計のデータ解析でも実験結果が裏付けられました。すなわち、人口密度が高い地域ほど、過体重率、肥満率、交通事故死率が少ない結果が得られました。過体重や肥満、交通事故死の一因は自己制御不全、衝動性にあると考えられるので、人口密度が高い地域は、自己制御ができないことが原因の1つとなる事象が少ないということになります。

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posted by マーキュリー2世 at 21:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 認知心理学、認知神経科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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