2016年02月24日

自撮り投稿とナルシストの関係は女性より男性の方が強い

男性より女性の方がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に自撮り写真を投稿します。しかし、SNSに投稿した自撮り写真数と自己愛性格(ナルシシズム)の関係は女性よりも男性の方が強いという研究があります。

Sorokowski, P., Sorokowska, A., Oleszkiewicz, A., Frackowiak, T., Huk, A., & Pisanski, K. (2015). Selfie posting behaviors are associated with narcissism among men. Personality & Individual Differences, 85, 123-127. doi: 10.1016/j.paid.2015.05.004.

ポーランドのヴロツワフ大学心理学研究所とドイツのドレスデン工科大学耳鼻咽喉科学部嗅覚・味覚学際センターに研究者達による論文です。

○研究1

748人が参加(女性355人,男性393人)。平均年齢は21.64歳(SD = 3.41)。

ナルシシズムの評価は自己愛人格傾向尺度/自己愛人格目録(Narcissistic Personality Inventory:NPI)による(研究2も同様)。ただし、ポーランド版はオリジナル(Raskin & Terry, 1988)と違い4因子構造で、その4因子とは自己満足(Self-sufficiency)、虚栄心(Vanity)、指導性(Leadership)、賛美要求(Admiration demand)のこと。なおオリジナルの権威(Authority)と不当な他者利用(Exploitativeness)は指導性に、自己顕示(Exhibitionism)と権利の主張(Entitlement)、優越感(Superiority)は賛美要求に包含されています。

過去1か月間にSNSに投稿した自撮り写真数は質問紙で計測。自撮り写真は3種類に分類。3種類とは自分だけの自撮り、恋人との自撮り、恋人を除く他者との集団自撮りのこと。また、ここ1か月間でSNSに投稿した自撮り以外の写真の数も自己評価し、統制。なお、研究1は研究2とは違いSNSの種類は問わない調査で、Facebookだけでなく、InstagramやTwitter等での(自撮り)写真も含めました。

調査の結果、男性よりも女性の方が自分だけの自撮りと集団での自撮りの投稿が多いと申告しました(恋人との自撮りでは性差が検出されず)。

標的とする自撮り写真以外の写真の数を統制して、ナルシシズムと投稿した自撮り写真数の関係を調べました。その結果、男性では自分だけの自撮り写真の数が賛美要求(偏相関係数.19:以下同様)、虚栄心(.16)およびナルシシズム全般(.15)と正の相関関係を示しました。また、集団での自撮りは賛美要求(.22)、指導性(.12)、虚栄心(.19)およびナルシシズム全般(.20)と正の相関関係を示しました(ただし、指導性はボンフェローニ法による多重比較の補正を突破せず)。恋人との自撮り写真数は賛美欲求(.11)、ナルシシズム全般(.11)と正の相関関係を示しました(ただし、ボンフェローニ法による多重比較の補正を突破せず)。

一方、女性では自分だけの自撮り写真数と賛美欲求(.14)およびナルシシズム全般(.14)だけが1%の有意水準で有意(両側検定)でしたが、いずれもボンフェローニ法による多重比較の補正を突破しませんでした。

○研究2

研究1に参加しなかったFacebookユーザー548人(女性330人,男性218人)が協力。平均年齢は23.72歳(SD = 4.39)。

Facebookに投稿された実際の写真を研究アシスタントが調査。ナルシシズムとFacebookに投稿した自撮り写真数の関係を統計的に解析するため、標的とする自撮り写真以外の写真の数を統制。

調査の結果、すべての自撮り写真(自分だけ・集団・恋人)で男性より女性の方が自撮り写真をFacebookに投稿していました。

男性では自分だけの自撮り写真数が虚栄心(.15)やナルシシズム全般(.14)と正の相関関係を示しました(ただし、ボンフェローニ法による多重比較の補正を突破せず)。集団での自撮り写真数は賛美欲求(.18)、指導性(.17)、虚栄心(.19)、ナルシシズム全般(.21)と正の相関関係を示しました(ボンフェローニ法による多重比較の補正を突破したのはナルシシズム全般だけ)。パートナーとの自撮り写真数は指導性とだけ正の相関関係(.15)を示しました(ただし、ボンフェローニ法による多重比較の補正を突破せず)。

一方、女性の自分だけの自撮り写真数は賛美欲求(.12)とだけ正の相関を示しました(ただし、ボンフェローニ法による多重比較の補正を突破せず)。他はパートナーとの自撮り写真数が賛美欲求と正の相関関係(.18)を示しただけでした(ボンフェローニ法による多重比較の補正を突破)。

以上をまとめると、研究1でも研究2でも自己愛とSNSに投稿した自撮り写真数との関係は女性よりも男性の方が強くなりました。ただ、例外もあって研究2での自己愛の賛美欲求とパートナーとの自撮り写真数の関係は男性よりも女性の方が強くなりました。

なお、男性ではソーシャルメディアへの自撮り写真の投稿数は演技性パーソナリティ(演技性人格)と関連するという研究(Sorokowski et al., 2016)もあります(女性では関連しないそうです)。

○引用文献(アブストラクトだけ読みました)
Raskin, R., & Terry, H. (1988). A principal-components analysis of the Narcissistic Personality Inventory and further evidence of its construct validity. Journal of Personality & Social Psychology, 54(5), 890-902. doi: 10.1037/0022-3514.54.5.890.

Sorokowski, P., Sorokowska, A., Frackowiak, T., Karwowski, M., Rusicka, I., & Oleszkiewicz, A. (2016).Sex differences in online selfie posting behaviors predict histrionic personality scores among men but not women. Computers in Human Behavior, 59, 368–373. doi: 10.1016/j.chb.2016.02.033.

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posted by マーキュリー2世 at 23:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | ダークトライアド(Dark Triad) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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