2016年02月01日

腕時計をつける人は勤勉性が高く、時間に遅れない

普段から腕時計をしている人は勤勉性が高く、時間にも几帳面で約束時間よりも早く到着するという研究があります。

Ellis, D. A., & Jenkins, R. (2015). Watch-wearing as a marker of conscientiousness. PeerJ, 3:e1210. doi:10.7717/peerj.1210.

イギリスのランカスター大学心理学教室、ヨーク大学心理学教室の研究者2名による共著論文です。  

○研究1(調査)

調査協力者は112人(女性62.5%)。年齢の範囲は17〜54歳。

性格の評価は10項目性格質問票(Ten-Item Personality Inventory:TIPI)で実施。TIPIとは性格の5因子(ビッグファイブ)を測定する質問紙のことです。ビッグファイブとは外向性、調和性、勤勉性、神経症傾向(情緒安定性)、開放性の5次元のことです。性格の5因子モデル、性格特性5因子論等とも呼ばれます。

TIPI回答後、普段から腕時計をつけているかどうか質問。本調査ではほとんどの日に腕時計をしているのが1年間以上継続している人を「レギュラーな装着者」としました。

調査の結果、普段から腕時計を装着している人達(53人)は他の人達(59人)と比べて勤勉性が高くなりました(効果量dは.75)。他の4種類の性格は腕時計との関係が有意でなく、効果量d(絶対値)が最大なのも−.25の開放性で、勤勉性が一番腕時計装着との関係が強くなりました。

○研究2(調査)

研究2の目的は研究1の結果をより大きなサンプルで追試することにありました。

調査協力者はEメールとtwitter広告で募集し、638人が参加(女性48.6%)。最頻値の年齢層は35〜54歳が36.4%、18〜24歳が30.5%。イギリスが60.8%、北アメリカが13%。普段から腕時計をしていたのは290人(45.5%)。

性格質問紙はTIPIを使用。

調査の結果、レギュラーな装着者かどうかで性別構成や勤務形態(昼間勤務者かシフト勤務者/失業者/学生か)に有意差が検出されませんでした。97.48%の参加者が携帯電話を所有していましたが、携帯所有の有無も腕時計の定期的装着者かどうかで有意差が検出されませんでした。

また、腕時計を普段からはめていない人達と比較してはめている人達は勤勉性が高くなりました(効果量dは.18)。他の性格次元は有意ではありませんでしたし、効果量の最大値(絶対値)も調和性の.06でした。

ロジスティック回帰分析で性別や年齢を統制しても勤勉性が腕時計の装着行動を予測しました。

○研究3(実験)

先行研究では勤勉性が高い人は時間に正確であることが示されていました。したがって、研究3の目的は腕時計の装着と時間厳守傾向との関係を調べることとしました。

被験者は別の実験に参加するため心理学教室を訪問した90人(男性29%)。年齢の範囲は17〜48歳。実験参加者は全員、過去に1回以上心理学教室を訪れたことがあったため道に迷うことはないと推測されました。普段から腕時計をしていたのは34人。

実験(というより行動観察?)は至極単純です。被験者の今回とは別の実験への到着時間を記録し、その実験の予定集合時間(アポイントメント時間)との差を計算しただけです。

その結果、平均して約束時間の2.19分前に参加者が到着しました(SD = 5.95)。そして常日頃腕時計をしている人の平均到着時間は指定時間よりも4.12分早く(SD = 5.45)、腕時計をつけていない人は.90分早く到着しました(SD = 5.96)。この差は統計的にも有意で効果量はd = .55でした。つまり、普段から腕時計をつけていない人よりもつけている人の方が平均的に3.22分早く到着したのです。

enclothed cognition(服装化された認知)にも関連する研究です。enclothed cognitionとは服装やファッションアクセサリーが心や行動に影響するという概念です。本論文でもenclothed cognitionの文脈での議論が展開されています。しかし、単に勤勉な性格の人が腕時計をつけることが多いというだけのような…。

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posted by マーキュリー2世 at 23:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 性格心理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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