2015年07月24日

妊婦がお腹をなでたり、童話・おとぎ話を聞かせると胎児が反応する

妊婦がお腹をなでなですると胎児の腕の動きが多くなり、童話・おとぎ話を読んで聞かせるとあくびの回数が減少するという研究が科学ジャーナル『プラスワン(プロスワン)』に掲載されました。特に成長している胎児(妊娠期間が長い胎児)の方が差が顕著に現れました。

Marx, V., & Nagy, E. (2015). Fetal Behavioural Responses to Maternal Voice and Touch. PLoS ONE, 10(6): e0129118. doi:10.1371/journal.pone.0129118.

イギリススコットランドのダンディー大学心理学部の研究チームによる論文です。

これから母親になる女性(expecting mothers)23人が参加。平均年齢は28歳(SD=3.97)で範囲は18〜35歳。妊娠期間は21週〜33週(平均は27週で、SD=4.07)。初産が12人。妊婦はリアルタイムの3D超音波計測をしながら以下の3条件をそれぞれ体験(被験者内計画)。

・ボイス条件:3匹のこぶた(Little Three Pigs)またはジャックと豆の木(Jack and the Beanstalk)を音読
・タッチ条件:腹部をなでなでする
・統制条件:手を身体の横において寝転がる

実験は胎児が起きていることを超音波検査で確認してから実施。在胎月齢26週未満の赤ちゃんは妊娠第2期、在胎月齢26週以上の赤ちゃんは妊娠第3期として分析。

以下は実験結果です(身体動作は1分間当たりの頻度で定量化)。
・胎児の腕の動き(腕を上げたり下げたり、回転させること):在胎月齢の影響はありませんでした。しかし、統制条件よりもタッチ条件の方が腕を動かしていました。一方、統制条件とボイス条件には有意差が検出されませんでした。タッチ条件よりもボイス条件の方が腕の動きが少なくなりましたが有意傾向でした。

・自己タッチ(胎児が自分の身体や顔、子宮壁に触れること):実験条件の影響はありませんでした。しかし、妊娠月齢の影響がありました。具体的には妊娠第2期の胎児よりも妊娠第3期の胎児の方が自己タッチが多くなりました。

・腕の交差:妊娠第2期よりも妊娠第3期の方が腕の交差が多くなりました。また、ボイス条件よりもタッチ条件の方が腕の交差頻度が低くなりました。統制条件と比較すると有意傾向でタッチ条件の方が腕の交差が少なくなりました。統制条件とボイス条件に有意差は検出されませんでした。さらに、妊娠第2期では実験条件間の差が検出されませんでしたが、妊娠第3期では有意差がありました。具体的には妊娠第3期の赤ちゃんで腕の交差が多い順にボイス条件>統制条件>タッチ条件となりました(ただし、ボイス条件と統制条件及び統制条件とタッチ条件の違いは有意傾向)。

・頭部の動き:在胎月齢の影響はありませんでした。しかし、有意傾向でしたが、ボイス条件よりもタッチ条件の方が頭の動きが多くなりました。

・口の動き(口を開けたり閉めたりすること):在胎月齢の影響はありませんでした。しかし、統制条件よりもタッチ条件の方が口の動きが活発でした(ただし、有意傾向)。

・あくび:妊娠第2期では実験条件間の差が検出されませんでした。しかし、妊娠第3期ではあくびが多い順に統制条件・タッチ条件>ボイス条件となりました。

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posted by マーキュリー2世 at 16:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 発達心理学・発達障害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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