2017年05月22日

同性間競争が強いと身長をサバ読みしがち

ウルグアイのジュニアサッカー選手の男の子は、同性間競争が強いと身長をサバ読みしがちという研究があります。

Mailhos, A., Buunk, A. P., & del Arca, D. (2017). High intrasexual competition is related to inflated height reports in male junior soccer players. Personality & Individual Differences, 113, 229-234. doi:10.1016/j.paid.2017.03.030.

ウルグアイのレプブリカ大学心理学研究室、カトリカ・デル・ウルグアイ大学心理学研究室、オランダのフローニンゲン大学心理学教室、オランダ王立芸術科学アカデミー、キュラソー大学の研究者らによる論文です。

性淘汰には同性間競争というものがあります。同性間競争とは、配偶相手をめぐって同性同士で争うことです。たとえば、オスがメスをめぐって争うことは同性間競争にあたります。このオス同士の争いに勝つのは大抵、小さな個体よりも大きな個体です。同性間競争はオス同士で行われることが多いことから、それによりメスよりオスの方が大きいという性的二形が生まれます。

人間では男性の身長は攻撃行動や地位、支配性と関連しています。攻撃行動や地位、支配性は同性間競争と関わっています。だとすると、男性が実際よりも自分の身長を高く報告すること、すなわち身長のサバ読みが同性間競争が高い状況で行われているのでは?という予想が成立します。そこで、本研究ではこの予想がどれだけ、現実世界で的中しているか調べることを目的としました。続きを読む

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posted by マーキュリー2世 at 13:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | 男女心理学(・進化心理学) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月15日

透明人間の錯覚でパーソナルスペースが狭くなる

自分は透明人間だと錯覚すると、パーソナルスペースが狭くなるという研究があります。つまり、自分は透明人間だと思うと、近くに他者が接近するのをより許容するようになるということです。

D’Angelo, M., di Pellegrino, G., & Frassinetti, F. (2017). Invisible body illusion modulates interpersonal space. Scientific Reports, 7:1302. doi:10.1038/s41598-017-01441-9.

イタリアのボローニャ大学心理学研究室、同大学認知神経科学研究センター(Centre for studies and research in Cognitive Neuroscience,CsrNC)、マントヴァ県カステル・ゴッフレード(コムーネ)のマウゲーリ臨床科学研究所カラッテレ科学的救護・治療協会(Istituto di Ricovero e Cura a Carattere Scientifico,IRCCS)病院、イギリスのバンガー大学心理学部の研究者による論文です。

〇実験1

実験参加者は平均年齢が22.63歳の24人の女性(年齢の範囲は20〜26歳)。

実験中、参加者はヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Displays,HMDs)を装着。三脚を用意し、参加者の頭部と同じ高さにHDウェブカムを設置、パソコンを通してHMDsと同期接続させました。これにより、参加者はHMDsを通してHDウェブカムが撮った映像をリアルタイムで見ることになりました。

透明人間錯覚は、参加者が自身の身体を見ることができるはずの空間にHMDsを通して、「空白」の映像を流し、その空白空間を絵筆でナデナデするのを、参加者の実際の身体の対応部位のナデナデと同期させることで引き起こす方法を用いました。なお、透明人間錯覚の誘導手続きの詳細は、私の別のブログ『緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー』の「透明人間の錯覚で人前に立ってもストレスを感じにくくなる」を確認してください。続きを読む

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posted by マーキュリー2世 at 15:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 身体心理学(身体錯覚を含む) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月08日

課題が難しい時、自己制御欲求は逆効果

課題が難しい(要求水準が高い)場合、自己制御(自己調整)欲求は逆効果になるという研究があります。

Uziel, L., & Baumeister, R. F. (2017). The Self-Control Irony: Desire for Self-Control Limits Exertion of Self-Control in Demanding Settings. Personality & Social Psychology Bulletin, 43(5), 693-705. DOI: 10.1177/0146167217695555.

イスラエルのバル=イラン大学社会科学部心理学教室、オーストラリアのクイーンズランド大学心理学研究科兼アメリカのフロリダ州立大学心理学部の研究者2名による共著論文です。

自己制御は適応的な能力だとして、その力をつけることが推奨されています。しかし、自己制御力をつけたいという欲求の影響についてはほとんど分かっていません。そこで、本研究では自己制御欲求が自己制御能力に与える影響を調べることを目的としました。

全部で4つの研究(N = 635)を行いました。

研究1(Study 1)では、自己制御欲求が高いと、要求水準が高い課題の成績が低くなりましたが、単純な課題の成績は低くなりませんでした。続きを読む

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posted by マーキュリー2世 at 22:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 認知心理学、認知神経科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする