2017年02月26日

心理的ストレスを感じるのに生理的ストレス反応は不要


ストレスホルモンともいわれるコルチゾール濃度が増加したり、心臓がドキドキしたりしなくても、心理的ストレスを感じるという研究があります。つまり、心理的ストレスを感じるのに生理的ストレス反応は不要というわけです。

Ali, N., Nitschke, J. P., Cooperman, C., & Pruessner, J. C. (2017). Suppressing the endocrine and autonomic stress systems does not impact the emotional stress experience after psychosocial stress. Psychoneuroendocrinology, 78, 125-130. doi:10.1016/j.psyneuen.2017.01.015.

カナダ(ケベック州)のマギル大学心理学教室、同大学医学部マギル加齢研究センター、同大学医学部精神医学科ダグラス病院研究センター、ドイツのコンスタンツ大学心理学教室の研究者による論文です。

急性的な心理社会的ストレッサーは生理的ストレス応答系を活性化させ、主観的ストレスも増加させます。では、生理的ストレス応答系の反応を引き起こさないようにしても、ストレッサーで主観的ストレスは高まるのでしょうか?本研究では、薬物で自律神経系や内分泌系のストレス応答を抑制することが、心理社会的ストレッサーによる情動ストレスの増加に与える影響を検証することを目的としました。続きを読む

スポンサードリンク

posted by マーキュリー2世 at 20:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感情心理学・情動心理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月20日

オキシトシンで集団での犯人当てゲームの成績が向上する


オキシトシンの鼻孔投与で集団での犯人当てゲームの成績が向上するという研究があります。これは、オキシトシンで1人だけ知っている情報が皆で共有される割合が高くなることが(部分的な)原因となります。

De Wilde, T. R. W., Ten Velden, F. S., & De Dreu, C. K. W.(2017). The Neuropeptide Oxytocin Enhances Information Sharing and Group Decision Making Quality. Scientific Reports, 7:40622. doi: 10.1038/srep40622.

オランダのアムステルダム大学心理学研究室、同大学実験経済学政治的意思決定センター、ライデン大学心理学研究所の研究者による論文です。

最終的にデータ解析したのは114人(女性78人,平均年齢21.63歳,年齢の標準偏差3.36)。114人で3人1組のグループを作りました。114÷3=38グループとなりました(実際には41のグループが実験に参加したのですが、課題遂行が適切にされなかった3グループを除外していました)。

38グループ(実際には41グループ)を以下の2群にランダムに割り当てました。二重盲検法でした。
・プラセボ群(57人,19グループ):プラセボ(偽薬)を鼻孔投与
・オキシトシン群(57人,19グループ):オキシトシン(シントシノン点鼻薬)24 IUを鼻孔投与

実験課題は隠れたプロフィール課題(hidden profile task)を使用。隠れたプロフィール課題とは、集団で問題解決を適切に行うために、個人に特有の情報が集団で共有される必要がある課題のことです。情報にはグループメンバー全員が知っているものと個々のメンバーしか知らないものとがあります。続きを読む

スポンサードリンク

posted by マーキュリー2世 at 16:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会心理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月19日

性格検査の結果の男女差は性格の性差そのものを反映するのではない


性格検査の結果には男女差があるとされますが、実はそれは性格の性差そのものを反映するのではなく、性格特性についての意見や解釈の違いを反映しているに過ぎないという研究があります。ただし、神経症傾向は例外です。

Shchebetenko, S. (2017). Reflexive characteristic adaptations explain sex differences in the Big Five: But not in neuroticism. Personality & Individual Differences, 111, 153-156. doi:10.1016/j.paid.2017.02.013.

ロシアのペルミ州立大学発達心理学教室の研究者による単著論文です。

本研究の目的は、性格質問紙への回答結果の性差が性格特性についての意見や解釈によって説明できるかどうかを検討することとしました。ここでの性格は5因子モデルによります。5因子モデルとは、性格には外向性、情緒安定性(神経症傾向)、調和性、勤勉性、開放性という5つの因子があるとするモデルのことです。

本研究では、性格特性についての意見や解釈を内省的特徴調節(Reflexive Characteristic Adaptations,RCA)と呼び、特性に対する態度、メタ特性、特性に対するメタ態度の3種類からなるとしています。ここでの特性に対する態度とは、特定の個人の性格特性ではなく、一般的な形でのある種の性格特性に対する両極的(ポジティブ vs. ネガティブ)な評価のことです。メタ特性とは、自分の性格が重要他者にどのように知覚されているかということについての意見のことです。特性に対するメタ態度とは、重要他者が持っていると思う特性に対する態度についての信念のことです。続きを読む

スポンサードリンク

posted by マーキュリー2世 at 01:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 性格心理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする