2016年12月31日

痛みの後は甘い食物を食べる量が増加する

身体的痛みを感じた後に、甘い食べ物を食べる量が多くなるという研究があります。ダイエットするならできるだけ痛みを感じない生活が望まれます。

Darbor, K. E., Lench, H. C., Carter-Sowell, A. R.(2016). Do People Eat the Pain Away? The Effects of Acute Physical Pain on Subsequent Consumption of Sweet-Tasting Food. PLoS ONE, 11(11): e0166931. doi:10.1371/journal.pone.0166931.

アメリカのテキサスA&M大学カレッジステーション校心理学研究科の研究者3名による共著論文です。

〇実験1

循環障害発症の経歴がなく、チーズケーキが嫌いでない大学生70人が参加(平均年齢18.61歳,女性65%)。

痛みの誘発は寒冷昇圧課題(Cold Pressor Task,CPT)で実施。寒冷昇圧課題とは、冷たい(氷)水に手を浸す実験のことです。寒冷昇圧課題/寒冷昇圧試験について、他の研究が知りたい方は私が管理している別のブログ『緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー』の記事「寒冷昇圧試験で視線を向けられている感覚が強まる」を参考にしてください。続きを読む

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posted by マーキュリー2世 at 23:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 痛み(痛覚・疼痛)心理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月24日

消去法は合理的思考を促進する

今回は、選択することで意思決定するよりも、他の選択肢を排除することで意思決定する「消去法」を用いる方が熟慮を促進するという研究です。論文著者は、直接選択する課題から消去法による選択をする課題に切り替えることで熟慮処理が促される現象を課題タイプ効果(task-type effect)と名付けています。

Sokolova, T., & Krishna, A. (2016). Take It or Leave It: How Choosing versus Rejecting Alternatives Affects Information Processing. Journal of Consumer Research, 43(4), 614-635. DOI: 10.1093/jcr/ucw049.

ミシガン大学アナーバー校ロス・ビジネススクール(Ross School of Business)の研究者2名による共著論文です。

研究1A(Study 1A)では「アジア病問題」を用い、課題を直接選択するタイプから、消去法による選択をするタイプに切り替えることで、フレーミング効果が生じにくくなる結果が得られました。同様の結果が、経済的意思決定を用いた研究1B(Study 1B)や実際の金銭額に影響する研究1C(Study 1C)で再現されました。

*アジア病問題とは、行動経済学者のダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーが考案した問題のことで、同じ内容でも表現の仕方によってヒトの判断や意思決定が変わる「フレーミング効果」の代表的な課題になります。本記事でアジア病問題について詳述するのは控えますが、有名な話なので、日本語でも検索してみれば、必ず情報が見つかります。続きを読む

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posted by マーキュリー2世 at 23:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 認知心理学、認知神経科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月18日

スパイシーな食物を食べるとリスク追及行動が強まる


人間(少なくとも中国の大学生)には、スパイシーな味が好きな人の性格に関してリスク追及特性が高く感じられ、スパイシーな味が好きな人は実際にリスク追及傾向が高く、スパイシーな味の食物を食べた後にリスク追及行動が強まるという研究があります。

Wang, X., Geng, L., Qin, J., & Yao, S. (2016). The potential relationship between spicy taste and risk seeking. Judgment & Decision Making, 11(6), 547-553.

中華人民共和国の南京大学心理学研究科の研究者による論文です。

〇研究1

実験参加者は南京大学の学生49人(女子大生28人)。平均年齢は21.36歳(SD = 2.14)で、範囲は18〜27歳。

参加者に顔写真とその人の味の好みに関する情報を1.5秒間対呈示し、顔写真に写っている人物の性格を判断してもらいました。

顔写真は白黒写真20枚(男女ともに10枚)ですべて無表情。好みの味は酸味、甘味、苦味、スパイシー(薬味・辛味)の4種類を使用。したがって、刺激の種類は顔写真20枚×味の好み4種類=80種類で、参加者全員がすべての顔写真と味の好みのペアを経験しました(被験者内実験計画)。

なお、用いたのは食べ物の好みではなく、味の好みに関する情報であることに注意が必要です。これは、食べ物の好みだと味の好み以外の要素が性格判断に影響する可能性を考慮してのことです。続きを読む

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