2016年04月24日

腐敗・汚職が蔓延している社会だと笑顔でも信頼されにくい

通常、笑顔の人の方がそうでない人よりも好印象を与えます。しかし、笑顔の方がおバカさんに見えるという文化もあり、その違いは不確実性回避と関係するという研究があります。そして、なによりも私が面白いと感じたのは、腐敗・汚職が蔓延している社会では笑顔の人に感じる信頼性が低いという結果です。

Krys, K., Vauclair, C. M., Capaldi, C. A., Lun, V. M. C., Bond, M. H., Domínguez-Espinosa, A., Torres, C., Lipp, O. V., L. Manickam, S. S., Xing, C., Antalíková, R., Pavlopoulos, V., Teyssier, J., Hur, T., Hansen, K., Szarota, P., Ahmed, R. A., Burtceva, E., Chkhaidze, A., Cenko, E., Denoux, P., Fülöp, M., Hassan, A., Igbokwe, D. O., Işık, İ., Javangwe, G., Malbran, M., Maricchiolo, F., Mikarsa, H., Miles, L. K., Nader, M., Park, J., Rizwan, M., Salem, R., Schwarz, B., Shah, I., Sun, C-R., Tilburg, W. v., Wagner, W., Wise, R., & Yu, A. A.(2016). Be Careful Where You Smile: Culture Shapes Judgments of Intelligence and Honesty of Smiling Individuals. Journal of Nonverbal Behavior, 40(2), 101-116. DOI: 10.1007/s10919-015-0226-4.

論文の共著者数がとんでもない量なので、わざわざ個別に研究機関の名前をあげることはしません。ただ、日本の大学でいうと名古屋商科大学のPark Joonha助教(経営学部)も共著者の1人であることを書き記しておきます。

44の文化で研究参加者の大学生(n =5,216)に笑顔の人と笑顔でない人の誠実性や知能を評価してもらった研究です。ただし、データ欠損のため、最終的に解析したのは4,519人のデータになりました。女性が56.5%、男性が43.5%。平均年齢は22.36歳(SD = 5.50)。解析サンプルが最小だったのがイランの42人、最大だったのがクウェートの298人。ちなみに日本は103人でした(ただし、南アフリカを白人と白人以外に区別すると、白人以外の方が41人と最小になりました)。

参加者には8つの人物顔の評価を知能と誠実性の観点からしてもらいました。笑顔が4つで、笑顔じゃない顔が4つでした。顔写真の性別は男女半々で、ヨーロッパ系アメリカ人が4人、アフリカ系アメリカ人が2人、インド人が2人でした。続きを読む

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posted by マーキュリー2世 at 22:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 笑顔、スマイル心理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月20日

恋人がいる人は社会的なサポートネットワークが狭い

恋人がいる人は恋愛関係の維持にコストがかかるので、他の人との社会的関係を犠牲にする(≒サポートネットワークが狭い)という研究があります。

Burton-Chellew, M. N., & Dunbar, R. I. M. (2015). Romance and reproduction are socially costly. Evolutionary Behavioral Sciences, 9(4), 229-241. doi:10.1037/ebs0000046.

オックスフォード大学のマグダレン・カレッジ(Magdalen College)&ニューカレッジ(New College)動物学部のポストドクター研究員と霊長類学がご専門の人類学者であり、進化生物学者であるロビン・ダンバー教授による共著論文です。ダンバー教授はダンバー数(ダンバー・ナンバー)の提唱者です。ダンバー数とは人が付き合いを維持できる人数の上限値のことで、150人ぐらいだと言われています。ダンバー教授の著書には翻訳書で『友達の数は何人?―ダンバー数とつながりの進化心理学』などがあります。翻訳は藤井留美氏、出版社はインターシフト社。2016年6月には『人類進化の謎を解き明かす』が鍛原多惠子氏の翻訳でインターシフト社から刊行予定です。


さて、本題である論文の内容です。540人が参加したインターネット調査により、恋人がいる人のサポートネットワークの平均サイズが小さいことが見いだされました。

およそ9%の人はもう1人別の恋人がいたのですが、彼らは恋人が1人の人と比較してネットワークが小さくなっているということはありませんでした。続きを読む

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posted by マーキュリー2世 at 23:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 恋愛心理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月14日

マジックの仕掛けが仕組まれる局面で瞬きをする人が多い

手品を観ている時の瞬きのタイミングは鑑賞者の間で大体同じで、まさにそのタイミングで手品師はマジックの仕掛けをしているという研究があります。つまり、観客が瞬きをしている間にマジシャンは手品の仕掛けを施していることが多いのです。

Wiseman, R. J., & Nakano, T. (2016). Blink and you’ll miss it: the role of blinking in the perception of magic tricks. PeerJ, 4:e1873. doi:10.7717/peerj.1873.

イギリスのハートフォードシャー大学のリチャード・ワイズマン博士と大阪大学の中野珠実准教授による共著論文です。心理学者のリチャード・ワイズマン博士はマジシャンとしても活躍されている方です。日本語に翻訳されている著書には『運のいい人にはワケがある! 運を鍛える《ゴリラ》の法則』や『運のいい人の法則 (角川文庫)
』があります。どちらも翻訳者は矢羽野薫さん、出版社も同じで角川書店です。



研究参加者は20人(男女ともに10人)。年齢の範囲は22〜47歳。続きを読む

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posted by マーキュリー2世 at 21:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 知覚心理学(マジック心理学含む) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする